昔、喜界の長嶺集落にケサマツという絶世の美女がいた。
島中の若者がこの美女に思いを寄せていた。
ある日一人の若者がケサマツにいいよった。ケサマツはその青年に馬が逃げないように青年の足に馬の手綱を結ばせた。その瞬間ケサマツは手にした傘をパッと開いた馬は驚いて走り出した。青年は長い砂浜を馬に引きずられ無惨な死を遂げた。その後、塩道長浜では夜な夜な赤子の泣き声がしたという。それはケサマツのあせ肌故に死んだ我が子の魂だよと、青年の父親が嘆いた。それで長浜につながれた馬には、どんなに疲れていても載るなよと言い伝えた。
エーイ塩道(しゅみち)長浜 浜にヨー ヤーレー (スラヨイヨイ)童子(わらび)泣きふりぬすんよ ハレエンヨーレーヌヨーヨイトヨー (なつかしャや コヨーイトヨイ)
工ーイうりや誰(た)が ゆりかよヤーレーイ (スラヨイヨイ)あしはだケサマツぬヨー ハレエンヨーレーヌヨーヨイトヨー (なつかしャや コヨーイトヨイ)
エーイ塩道長浜 はまにヨー ヤーレー (スラヨイヨイ)馬つなじヨー うかばハレー エンヨーレーヌヨーヨイトヨーエーイいきやだるさ あてむヨーヤーレ うりやとうてヤヨ 乗(ぬ)るな ハレエンヨーレーヌヨーヨイトヨー
このCDの演奏者及び唄者は下記の方々です。(敬称略) 三味線 田中 働助 唄 菅沼 節枝浜田 悦子 太鼓 生 禎蔵 また、採詩・解説は 兜坂 岩二 さんのものを参考にいたました。