俊良主節 |
俊良主節 (解説) |
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ハレイ(ソラヨイ) 泣くなヨィ 嘆くなイ 大島(ウシマ)や伊津部(イチブ)のヨィ 伊津部のヨイ 伊津部のアリ俊良主(シュンリョウシユ)イ アケヤーリー なあきやエイだあぬヨィナィ (話に聞(チィチュ)たんが今夜(ヨネ)がはじみ) なあちやがヨィ(スラヨイ) みよあせヨィ つむりあてどヨィ にがきャかうす アリ みしょちやんど アケヤーリーなあきやイだーぬヨイ (ふまがで うくらばなんちゅりいもり) なあきやがヨィ みよあせヨィ つむりなてどヨーイ にがきゃかうすアレ みしょちやんど アケヤーリー すぎららんど たまらんど にやすぎららんどイ
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・みよあせ-みよは奥さんの名前あせば尊称 ・つむりあてど-つむりは運命定めだったから ・にがきゃうす−苦い潮 ・みそちやんど−「食べた」の敬語
意味 泣くな嘆くな大島の伊津部の俊良主よみよあせは運命だったから、海で苦い潮水を飲んで亡くなったんですよ。 |
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アレエーイー(スラヨイ) 世間なんて ヨィ うらましゃんむんや 七倉(ななくら)たてとてヨー みしよゆんちゅどうらめしゃんどうアケヤーレー うりよりむヨィナイ (話に聞(チィチュ)たんが今夜(ヨネ)がはじみ) うりよりむヨィ うらめしゃんむんや あんま(母親)とじゅう(父親)とがヨィ いもゆんちゅどうらみしやんど うりょりもうらめしゃんもんやあんまとじゆうがヨィ いもゆんちゆどうらみしやんどアケヤーレー うりよりもヨィナィ(なつかしやみこえのちよいなまいじて) うりよりもヨイ うらましゅんむんや あんまとじゆうとがヨイ いもりゅんゆんちゅどうらめしやんどアケヤーリー かなしやなんぴゃくなん十なん里ぬ旅の空
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・うらめしゃん-羨ましい ・あんまとじゅう-母親と父親 ・いもゆんちゅ-いらっしゃる人
意味 世間で羨ましいのは七つも倉を建てて生活する人が羨ましい。それよりも羨ましいものは母と父が元気でいる人が羨ましいですよ。 |
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エーイ(スラユイ)三味線がぁやヨイハレ出でてぃヤレ歌声どヨイ 歌声ど待ちゆり アケヤーリー わんなや エイヌヨーイナィ (なつかしやみ声のちょいなま拝で) 吾なやヨイ 誰(たる)待ちゅりヤレ かなしやるかなしどユイ 誰待ちゅうり 待ちゅりアケヤリー かなやエイヌヨイナィー (うまがり送らば汝一人(ナンチュリ)いもり) 吾なやヨイ 誰待ちゅうりヤリ かなしやるかなしどユイ たる待ちゅりエイ 待ちゅうり アケヤーリー かなしゃやあたんても便りやねえらんどイ |
三味線は鳴り出して、唄声を待っている。私は誰を待つ。いとしい彼を待っている。でも恋しい人ではあっても便りはないですよ。 |
俊良主(基俊良)は第一回の大島郡選出の代議士でした。 奥さんが海へ貝とりに行って亡くなり、その死に俊良主はいたく嘆き悲しんだ。 それを慰めて唄った歌です。 |