田植え歌 |
田植え歌 (解説) |
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1. ことしいねがなし しし玉のみなり ヤリガエー ハレ 吾嫁なる加那に ま米たかさ ウレ。 (タカサウリ)
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今年の稲はしし玉のような大粒のみのりだ、私の嫁になる彼女にお米のご飯をたかそう |
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2. ふずの稲がなし みず不足ャあたんが ヤーリガエー ハレ ことし稲がなし あぶしまくらウレ (マクラウレ) |
去年の稲は水不足だったが今年のいねは大豊作だ |
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3. ゆみとしゆうとなりばあいさのふばさヤーリガエ ハレ石の上にななちや うとちやんごとにウレ (ゴトニウレ) |
嫁と姑なら挨拶をするのもきつい、石の上に皿を落とすようにきびしい |
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4. 元どもとなゆりすらがむとなゆんにやヤリガェ ハレすらがもとなゆうすになしかずらウレ (カズラウレ) |
根本が根本になるのであって梢頭は根本にはならない、梢頭は根本になると根無しかずらになる |
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5. 叔父ぴれいもちゅぴれ 叔母ぴれいもちゆびれヤーリガェ ハレいかにくばさあても吾親まさりウレ (マサリウレ) |
叔父の面倒をみるのも他人をみるのと一緒、叔母をみるのも他人と一緒。どのように苦しくても親に勝ものはない |
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6. 山木やあてもぐさね木やねらぬヤーリガェ ハレめえらびがばうてむ わ加那うらぬウレ |
山に木はは色々あっても杖になる木はない。娘は沢山いても私の彼女はいない |
いねがなし-がなしは尊称。昔のは石にも木にも神が宿ると信じて、稲も尊んでいた。 あぶしまくら-稲が実って頭を垂れ畦に倒れかかることで豊作ということ。 ななちや-焼き物、皿の大きい物。 ちゆびれい-ちゆは他人、ここでは他人の面倒をみる ぐさね-つえのこと・
田植歌は労働歌で田植えをしながら歌ったといいます。働きながら歌で人の道を説いていた。
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